論文の残滓

特許実務に関するあれこれ。何かあれば→ imperatorkm@じーめーる.com

JP Patent status and claim 1 of Broad's CRISPR-Cas9 Patents.

Broadの日本特許3件 特許第6203879号 【請求項1】 クラスター化等間隔短鎖回分リピート(CRISPR)-CRISPR関連(Cas)(CRISPR-Cas)ベクター系であって、I. CRISPR-Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオ…

EP Patent status and claim 1 of UC Berkeley‘s CRISPR-Cas9 Patents.

執筆用メモ UCBの欧州特許 一本鎖型については本命、欧州では二本鎖型を狙った出願を既に権利化済。 EP2800811B:口頭審理未定(補正クレーム提出済(2018/10/25)) 1. A method of modifying a target DNA, the method comprising contacting the target D…

EP Patent status and claim 1 of VILNIUS‘s CRISPR-Cas9 Patents.

執筆用メモ VILNIUS大学の欧州特許、OA苦戦中であったが、1月23日にGrantがでようで。 5者の中で最先でFileしているので、代理人がもっと優秀であれば、結果は違ったかも知れません。明日は我が身…。 EP2828386 1 . A in-vitro method for the site-spec…

EP Patent status and claim 1 of Toolgen‘s CRISPR-Cas9 Patents.

執筆用メモ ツールジェンの欧州特許(2019/02/22) 真核生物のデータを含めて初めてFileしたのはToolgen。 ただし、Sienceの論文公開後であり、全般的に進歩性? ガイド鎖末端のGG付加がポイントか。 EP2912175:異議申立中(口頭審理未定) 1. A Type II Cl…

EP Patent status and claim 1 of SIGMA ALDRICH‘s CRISPR-Cas9 Patents.

執筆用メモ SIGMA ALDRICHの欧州特許(2019/02/22) SIGMAの技術の特徴は、HR修復を使った核酸の導入と、ニッカーゼ型で切る点。 EP3138910B:異議申立中(口頭審理未定) 1. A method for integrating an exogenous sequence into a chromosomal sequence o…

EP Patent status and claim 1 of Broad’s CRISPR-Cas9 Patents.

‘執筆用メモ 欧州におけるBroad Instituteの特許の状況。~2018年10月初旬までに成立済のものまで。 EP2764103:口頭審理待ち(2019/03/04、補正クレーム提出済) 1. An engineered, non-naturally occurring Clustered Regularly Interspersed Short Palind…

CRISPR-CAS9システムの基本特許の成立予定(米国)

先月末にこんなことを書いていましたが、予想外に早くUCB特許が成立することになりました。 nannosono.hatenablog.com 2月8日付けでUCBの米国出願(13/842,859)について、特許許可通知が発送されました。本通知から3ヶ月以内に特許料を支払う必要があるため…

話題のエボラウイルス治療薬の特許

某大学の先生が製薬企業が開発してくれないので、自分で開発する。自分で開発するにあたり、前臨床試験に用いる資金がないので、クラウドファンディングをするということです。 ビジネスをするつもりであれば特許があるでしょうし、関連する特許を調べてみま…

UCB v Broadのインターフェアレンスの終了と今後の動向

UC Berkeley v Broadのインターフェアレンスに関するCAFC判決について3ヶ月前に下記の記事をアップしましたが、昨年末に動きがありました。 nannosono.hatenablog.com UCBは上告は行わず、CAFC判決が確定。この結果、再度審査部での審査に付されることになり…

振り回される植物特許@欧州

植物に関する知的財産権としては、主に育成者権または特許権が存在する。 ただし、育成者権に関連するUPOV条約では、かつて育成者権および特許権による植物新品種の二重保護を認めていなかったため、その名残で、特許権による植物品種の保護を現在も認めてい…

UCBのCRISPR-Cas9システムのUS特許成立

UCBのJPの基本特許を解説するといいつつ、USで物の特許が成立したんでそちらへ。 今夏、UCB待望(?)のCRISPR-Cas9システムのUS特許が成立しました。先の特許(下記)は方法クレームがメインですが、今回は物クレームです。 nannosono.hatenablog.com 複数…

CRISPR-CAS9システムのUCB基本特許の概説その1(日本)

光陰矢のごとし。あっという間に師走が近づいてきました。 さて、忘れた頃に前回の続き。 nannosono.hatenablog.com UCBの特許の説明に入る前に、まずは、CRISPR-CAS9システムの概要。 (下図はUCBの出願の図1を抜粋) 細菌内で見出されたCRISPR-CAS9システ…

CRISPR-Cas9システムの合法(?)試薬

備忘録 CRISPR-Cas9システムの基本特許保有者のうち、BroadおよびUCB(from Caribou)からライセンスイン済みの試薬会社は、IDT 社(Integrated DNA Technologies)のみ。 試薬の使用許諾範囲は下記の通り。 Usage, warranty & licenses その他(要チェック)…

主役は遅れてやってくる?(Vilinus大学のCRISPR-Cas9システムのJP特許成立)

Broad v UCBの主導権争いに関しては、半分(sgRNA)について大まかに情勢が固まり、後は残り半分(二本鎖)の主導権を誰が握るのかが焦点となります。 二本鎖型の特許を取得する上での問題点は、古細菌に同様のシステムがあるため、文言で差別化してくのが難…

CRISPR-CAS9特許を巡る憂鬱

数日前に、下記Broad特許群と、下記UC Berkeley(UCB)特許とのインターフェアレンスに関する審決取消訴訟において、やっとこさCAFCの判決がでました。 Broad特許群 ・Patents 8,697,359; 8,771,945; 8,795,965; 8,865,406; 8,871,445; 8,889,356; 8,895,308…

免疫チェックポイント阻害薬の特許の状況(余談)

昨日の投稿の続き。 nannosono.hatenablog.com 抗PD-L1抗体の作用機序に関して、テセントリクのみはっていたので、残り二つについても時間のある間に調べてみました。 バベンチオの作用機序については、HPによると以下のような記載があります。 「バベンチオ…

免疫チェックポイント阻害薬の特許の状況

CRISPR-CAS9の話を書いていましたが、たまには別のネタ。 小野薬品工業のオプジーボの上市後、PD-1 - PD-L1の相互作用をターゲットとする新薬が次々と開発及び上市されています。 上市済みのものは以下のとおり。 ・抗PD-1抗体 オプジーボ(小野薬・BMS) キ…

CRISPR-CAS9システムの米国特許の成立

忙しい、と経過監視を怠っていると、色々と進むものです。 業務ではなく、あくまで趣味の一環です。 nannosono.hatenablog.com sgRNAを用いるCRISPR-CAS9システムの基本特許が日本で成立したとの話を前回投稿しましたが、3日後にUCBの米国特許が成立していま…

CRISPR-CAS9システムの基本特許の成立(日本)

Broadの特許の成立後、Feng Zhangが来日して大合議体かいなというような審査官面接が行われたりしていましたが、審査が遅遅として進まない日本…。 しかし、ついにCRISPR-CAS9基本特許が成立しました。 特許公報確認!よかった 今回は、基本特許争いで、一番…

基礎出願の包袋閲覧(特許)

気がつけば年末です。 師走とはいいますが、12月週3-4ペースで出張しており、中々きついもの。 仕事は増える一方、処理する時間はない… 年度末までこんなものでしょう。 本年最後の投稿は、基礎出願の包袋の閲覧について。 係争事件になると基礎出願の包袋の…

無料のファイル記録の閲覧期間(特許・商標)

たまに忘れるので備忘録。 ファイル記録記録を閲覧しようとすると、通常は、特許庁の手数料が発生する(オンラインで600円)。 ただし、特許と商標との場合、以下の期間に限り、ファイル記録を無料で閲覧できる。 特許:特許公報の発行後1年間 商標:登録公報の…

CRISPR-Cas9関連の日本国特許の成立

1ヶ月強前に書いたBroad研究所のCRISPR-Cas9関連特許出願について、進展がありました。 紹介した特許出願(特願2016-025710)について、9月27日付けで特許公報(特許番号:特許第6203879号)が発行されました、 設定登録は9月8日とのことですので、予想通り9月…

オーストラリアにおける特許権の延長登録

日本においては第二医薬用途のクレームは、例えば以下のようになる。【請求項1】(JP第二医薬用途)化合物Xを含む、疾患A用医薬組成物。国によっては第二医薬用途の記載形式として、下記のswiss type claimで記載する。ただし、swiss type claimは、使用クレ…

CRISPR-Cas9特許の日米欧比較

日本でBroad研究所の特許が成立しそうなので、米欧でのファミリー特許と比較してみた。 各国の特許のメインクレームは末尾のとおり。 大きな違いは、日本国特許は、CRISPR-Casベクター系に関する発明であるのに対し、米国および欧州特許は、非天然または人工…

ゲノム編集特許、ついに日本でも成立(予定)

7月31日付でBroad研究所らのCRISPR-Cas9システムに関する特許出願(特願2016-025710)に対して、特許査定が送達された。 8月18日現在、設定登録料は納付されていないが、おそらく9月頃には特許権の設定登録が行われるであろう。 特許査定時(出願当初と同じ…

EPO規則の改正

Rule 27 and 28 EPCの改正により、欧州において、生物学的に本質的な方法(Essentially biological processes )のみにより特定された動物および植物の権利化が不可となった。http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/information-epo…

特許異議申立制度の簡易統計(その3)

さて、三度目の簡易統計であり、今回は出願人の種別です。 企業が、権利の成立を阻止する行為および権利を消滅させる行為をするというのは、その出願が権利化された場合、または特許権が存在する場合、その企業の事業に差し障ることを基本的に意味します。 …

特許異議申立制度の簡易統計(その2)

前回に引き続き、特許異議申立制度の簡易統計。 今回は、1件あたりの申立回数について。 100件の平均値は1.14回であり、基本的には、1件の特許権に対し、申立回数は1回。 複数回行われているものは、審査段階で刊行物等提出書を複数回提出されてい…

特許異議申立制度の簡易統計(その1)

多忙で放置していたら、あっという間に2ヶ月経過…。 特許業界的には、サントリーがアサヒビールに実質完全敗訴したり、Ariosaの上告申立が却下されて、アメリカのバイオ特許業界が不毛地帯になりそうならないけどなど、なかなかネタの多い二ヶ月でした。 本…

仁義なき特許戦争 CRISPR-CAS9編@雑談

バイオ系の大元を押さえる特許は、それを用いたリサーチツールや医薬品等の幅広い製品をカーバする特許となるということで、すごいお金になる特許でもある。 PCR、遺伝子組み換え技術、siRNA等の特許をみても、その特許を件をライセンスしている某社のライセ…