論文の残滓

特許実務に関するあれこれ。

A germinal center-indipendent pathway generates unswitche memory B cells early in the primary response

Talyor. J. J. et. al. J.E.M. 209, 597-606 (2012)

 

naive B  cell →    GC   →  memory B cell

  ↓         ↓

short lived PC    long  lived PC

memory B cell !!!

 

・memory B cellはGC B cell由来であると考えられてきた。

・unswithched IgM memory B cellの方が多いことが報告されている。

・memory B cellの分化と、GCの分化がほぼ同時に起こることが報告されている。

・全てのmemory B cellがGC由来であることを示すSHMを受けているわけではない。

→GC indipendent pathwayが存在するのではないか?

(この話自体はそこそこ前からある。2,3 年前の学会でもちらほら話が)

そこでGCが形成される前の、初期状態を調べることでGC indipendet pathwayについて調べた。

Ag : PE Adjuvant : CFA s.c. → PE specific B cellを追いかける

 

PE-reactive B cells : 20000 cells/mouse

APC-reactive B cells : 4000 cells/mouse

 

・GC形成の前にmemory phenotypeの細胞およびGL7+の細胞がいる

Ly5.1 mouseからPE-reactive B cellをenrich、CFSEラベルしてLy5.2 mouseに移入→PE/CFAで免疫

PE+CFSElowの細胞を見るとd3ですでにCD38+GL7-のmemory phenotypeの細胞がいる(GC形成はd4-5の間に起こる)

(CFSElowなのでCD38+GL7-naive B cellは除けているのもポイント)

dLNの免疫染色でもd4においてGCの形成は見られないがGL7+のPE-reactive B cellがいることが確認できる。

 

・CD38+GL7+細胞はGC B precoursor cellか?

CD38+GL7+細胞はCCR6+Fas+PNA-Bcl-6-であることから、GC B cellではなくprecoursor cellっぽい。

Bcl-6-/- B cellからはCD38+GL7+ Bは分化するものの、CD38+GL7- GC B cellは分化してこないこともサポート材料。

 

CD38+GL7+ B cellをPE/CFAを免疫したtransferして検証→CD38+GL7-、CD38-GL7+の両方に分化する。

→CD38+GL7+はmemory & GC B cellのprecousor cell!

(最初の解析がPE/CFA d6になっているため、recipient側ではGC形成が起こっている。なので、GCを経由していないかは厳密な意味では証明できていない。recipient側がPE/CFA d1 or 2の時点でtransferすれば良かったのでは?)

(CFAのみで免疫したmouseにtransferした場合は、momery側に分化しやすい→cognate helper T cellの存在がfate deicisionに影響を与えている?活性化したB cellのdefault pathwayはmemory, PCで、helperの刺激を受けるとGC B分化?)

 

・GC independent pathwayのmemoryはどれくらいいるか?

WTとBcl-6-/-のキメラを免疫してtrack。

Bcl-6-/-はGC形成が出来ないので、出てくるmemory B cellは全てGC independent。

IgM+ memory B cellに関してはWTとBcl-6-/-で差が無い→IgM+ memory はGC indipendentに分化する(おそらくCD38+GL7+から)。

IgG+ memory B cellの場合、d6の場合差が無いが後期になるにつれてBcl-6-/-の方がWTに対して少なくなる→初期のIgG+ memory はGC indipendentだが、GC経由のmemoryに徐々に置き換わっていく。

 

GC B由来のmemoryが減っているのを別の方法で確認。

CD73(ecto-5'-nucleotidase)の発現の有無指標。GC経由だとCD73+。

WTとBcl-6-/-キメラを比較すると、CD73+のmemoryがBcl-6-/- Bで減っていることが確認できる。

anti-CD40L blocking AbでGC形成を阻害するとCD73+ memoryの形成が阻害される(CD73+がGC由来であることの確認)。

→CD73はGC由来のmemoryかどうかを判別するのに有用なmarkerになりうる。

 

CD73をmarkerとして使用した場合WTでも初期にCD73- memoryが形成され、GCピーク時以降にCD73+なmemoryが形成されるのが確認できる。

初期のmemory→GC indipendentなのがメイン 後期のmemory→swIg+はGC dependentなのがメイン。IgM+ memoryはGC inpdipendentなのがメイン。

 

・BCR+CD40 signalでGC indipendentなmemoryに分化できる

 

まとめ

・TD抗原免疫後に出てくる初期のmemory B cellの多くはGC indipendent pathwayによる。

・CD73はmemoryがGC由来かどうかを判別するmarkerとして有用。

・T cellのCD40LによるhelpがGC indipendet memory B cellの形成に重要。