論文の残滓

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An essential role for Th2-type response in limiting acute tissue damage during experimental helminth infection.

Chen, F. et.al., 18, 260-264, Nat.Med. (2012)

 

雑誌紹介用

Th2応答は寄生虫の排除に重要。

一方で、寄生虫によって起きた組織障害からの回復にも重要であることが示唆されている。

例えばIL-4、IL-13といったサイトカインはgrowth factorや血管新生を誘導する因子の誘導すると言われているが詳細なメカニズムは不明であった。

 

筆者等は今回Nippostrongylus brasiliensis(ブラジル鈎虫)という寄生虫を用いた際の、組織障害の抑制、組織障害の修復にTh2応答がどうか変わっているか検討した。

ブラジル鈎虫:ふん中で孵化→皮膚を破って入る→肺へ移動、2日間まつ→気管支→食道経由で腸管へ。

ブラジル鈎虫をs.c.し肺でのTh2応答をみた。

・感染後2日目で肺中への赤血球の流出が最大(組織障害の指標)

・組織障害に関与している好中球の浸潤、および好中球の誘走に重要なIL-17もこの時期が最大。

・感染後7日目で肺中への赤血球の流出は見られなくなる(組織障害からの回復)

 

感染後IL-17は好中球の肺への誘走を引き起こすが

IL-4、IL-13はIL-4Rαを回してIL-17の産生を抑制することで、組織損傷の拡大を抑制

IL-4Rα+γc→IL-4 receptor、IL-13Rα1+IL-4Rα→IL-4、IL-13 receptor

また、IL-10の誘導を介しても好中球の肺への誘走を阻害(下記に出てくる修復因子の誘導には関与していない)

 

IL-4Rαシグナルは組織修復に重要なIGF-1、Arginase-1、colagen type2、MMP13にも重要

この中でIGF-1は組織修復に関与していることがデータとしてのせてある。

Arginase-1の関与もinihibitorを使った実験で示してある(最後の図)

 

その他、MΦが組織修復に関与しているよと言うのがCD11b-DTRマウスを使って示している。

M2 MΦが組織治癒に関与しているのは昔からある話