論文の残滓

特許実務に関するあれこれ。

中国での分割出願の時期的要件

分割出願は、国によって可能な時期がばらばら。

散弾銃の弾のようにどんどこ分割していく出願を予定している場合、各国のプラクティスを事前に把握して、クライアントと分割の時期を調整しておく必要があるため、頭が痛い話である。

一番頭が痛いのは特許査定後に分割できない国ではあるが…。

 

日常的に基準としている日本での分割可能な時期はわりかしとシンプルで、下記の3通り。

1.明細書等の補正が可能な期間

2.特許査定後30日間(審判請求後の特許査定時は不可)

3.拒絶査定後3ヶ月間

 

さて、中国の分割可能な時期について、中国代理人が訪問された際に聞いてみた。

原則、下記1および2を満たす必要があるとのこと。

 

1.(1)〜(6)のいずれか1つ

(1)出願後査定まで

(2)特許査定後2ヶ月間

(3)拒絶査定後3ヶ月間

(4)拒絶査定不服審判の係属中

(5)拒絶審決に対する不服申立期間

(6)拒絶審決に対する審決取消訴訟の係属中

2.親出願が生きてること

 

拒絶されても審決取消訴訟中までずっと分割できるってのはすごい。現実的な問題として、そんなところまで行きたくないが。

また、例外的に、前記「2.」を満たさない場合でも、OAで単一性欠如を指摘された際は、分割できるとのこと。

ただし、この際に、OAで指摘されたクレームと全く別のクレームにすると脱法的な行為であるため、何か指摘されるのではないかとのこと。

中国代理人もやったことがないから、実際にどうなるかはわからないとのことではあるが。