論文の残滓

特許実務に関するあれこれ。

PPH制度@中国

中国において、ベンチャー系の出願の権利化を行う際に困るのは、まともに使用できる日本のような早期審査制度がないこと。

中国にも優先審査制度は存在しますが、対象がグリーン関連等かなり限定されているため、対象となる出願はかなり少ないのが現状です。

出願数が激増しており、審査官も不足気味なので仕方がないのかもしれません。

 

さて、そんな中国において唯一まともに使える早期審査制度がPPH制度。

PPH制度を使えば、早ければ2−3週間で、遅くとも6ヶ月程度でFAを受け取れます(平均は2−3ヶ月)。

 

中国代理人に聞いたところ、PPH制度は、申請時にはじかれることが多い模様。

中国では、他国に比べて特許許可を受けてる対応各国のクレームの文言と、完全一致に近い対応関係を求められ、この点ではじかれる申請が多いのではないかとのことです。

また、1回申請すると、却下されても再度の申請は認められていないとのこと。

ワンチャンスなので、申請時に慎重な検討が必要になりそうです。

なお、PPH制度の申請に対する許可率は、5割程度のようです。

 

PPH制度を利用した場合、特許許可率はおおよそ88%(2015年1-6月集計)。

全出願の特許許可率が55.2%(2014年集計)であることを考えるとかなり高い割合です。

 

早期権利化が必要なケースでは、是非検討してみてください。