論文の残滓

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特許審査基準(用途発明)の改訂@国内

日本では、食品用途は下記のように用途としては認められていません。

 

特許・実用新案審査基準より抜粋

第III部 第2章 第4節 特定の表現を有する請求項等についての取扱い

3.1.2(2)請求項中に用途限定があるものの、請求項に係る発明が用途発明といえない場合

例2:成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト

(説明)確かに、「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」は、骨におけるカルシウムの吸収を促進するという未知の属性の発見に基づく発明である。しかし、「成分Aを添加したヨーグルト」も「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」も食品として利用されるものであるので、成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」が食品として新たな用途を提供するものであるとはいえない。したがって、審査官は、「骨強化用」という用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有しないものとして、請求項に係る発明を認定する。なお、食品分野の技術常識を考慮すると、食品として利用されるものについては、公知の食品の新たな属性を発見したとしても、通常、公知の食品と区別できるような新たな用途を提供することはない。

 

ところが、最近機能性食品が話題となっており、産業界からもご要望があり、運用が変更されるようです。

議事録は出ていないため、詳細は不明ですが、大まかな内容は下記の配付資料から推定できます。

 

産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会 第7回 審査基準専門委員会ワーキンググループ議事要旨 | 経済産業省 特許庁

 

産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会 第8回 審査基準専門委員会ワーキンググループ議事要旨 | 経済産業省 特許庁

 

下記のように、未加工の動植物については厳しく判断し、加工品については基本的に認める方向になるようです。

 

資料1 食品の用途発明に関する審査基準の改訂についてより抜粋

用途限定のないものとして解釈される発明

「○○用バナナ。」、「○○用生茶葉。」、「○○用サバ。」、「○○用牛肉。」

用途限定のあるものとして解釈される発明

「○○用バナナジュース。」、「○○用茶飲料。」、「○○用魚肉ソーセージ。」、「○○用牛乳。」

 

 4月1日に運用変更開始となりそうなので、これから出願するものについては手当をしておくのが望ましいでしょう。

また、運用開始日以降の「審査」に適用するということですので、現状係属している出願について食品用途の権利化を図りたい場合、分割出願を行っておくのがよいかもしれません。