Muscal memory CD8+ T cells are selected in the periphery by an MHC class I molecule
Huang, Y. et. al., Nat.Imm. 12, 1086- 1095 (2012)
腸管上皮にいるTrmのselectionにthymus leukemia antigen (TL)が関与していた。
筆者等はCD8+ T cellのaffinity maturationが起こっていると書いているが完全に間違い。
affinity selectionが正しい。TCR遺伝子へのmutationが起こっている証拠はなし。
memory T cellやB cellが病原体の侵入経路に存在すると速やかな二次応答が起こる。
最近、皮膚、粘膜組織に局在するmemoryが二次感染時のクリアランスに重要であることが報告されている。
Trmの分化については比較的分かりつつあるが、どのようなTrmが、またTrmどのように選ばれてくるかは分かっていない。
腸管上皮にいるCD8αβ memory T cellはCD8ααも発現している(CD8αα+ CD8αβ+ memory T cell)
このCD8ααのリガンドが今回出てくるTLであり、TLは腸管上皮に恒常的に発現していることが報告されている。(一部APCはinducible)
そこでTLがCD8αα+ CD8αβ+ memory T cellのselectionに関わっているのではないかということでTLの機能について調べた。
CD8+ memory T cellの誘導にはListeria monocytogenesを経口感染させる系を用いている。(memoryの解析は基本的に感染2ヶ月後)
TL KOではIEL中のCD8+T memoryの増加が、TL OEではCD8+ T memoryの減少が観察されることから、TLはCD8+T memoryの形成を負に制御していることが明になった。
定常状態でTLを発現している細胞はmLNのCD103+ migratory DC。
CpG刺激を加えると発現強度は上昇する(Sp DCでも発現が誘導される)
TLのmemory形成の阻害はCD8+ T cell上のFasを潰すと打ち消されることからFas-FasLによるapoptosisが効いてそう。
ではmemory CD8+ T上に発現しているCD8ααは何か関与しているのか?
ΔE8i OT-1 T細胞を使用して検討
ΔE8i:CD8αのエンハンサー領域Iを削ったマウス。CD8ααの発現に必要
ΔE8i OT-1 T細胞はWT OT-1 T細胞に比べてin vitro、in vivo共に死にやすい(経口感染の場合)。
全身感染の場合は差が無い(以前のLCMV感染の報告と同様)
また、ΔE8i OT-1 T細胞はmemory phaseでのIELの蓄積↓
TL-CD8ααがCD8 memory T細胞のIELへの関与していることを示唆している。
CD8ααの発現上昇に関与しているのはTCR+共刺激の強さ。
affinityが強ければ同じ刺激に対してもaffinityが高いものの方がCD8ααの発現高い
in vivoでもaffinity高いT細胞の方がIELにmemory CD8+ T細胞として残りやすい。
→affinity selectionがおきてんじゃね?
(humanでもCD8ααはeffector memoryに出てる。)
腸管によくあるRAとTGF-βはCD8ααの発現を増強する
最後に色々やってるけど、controlがないから、このデータからはTLがaffinity selectionに関与しているとは言えない。
データ自体もFig.1のデータとconflictしてる。
抗原に対するaffinityが下がってるならFig.1のIELより%は落ちないといけないが、全く下がっていない。
T細胞が活性化時受ける刺激の強度によりCD8ααの発現強度が決まる。
CD8ααの発現が高いと、活性化時にAPC上にあるTLによる細胞死から逃れやすく、またIELでのsurvivalも↑するため、Trmとして残りやすくなる。